原一男監督の「れいわ一揆」を観た。
最初、この映画は「れいわ新撰組」党首である山本太郎さんが主役の映画だと思っていたが、映画を観てそれは違うのだということがわかった。
映画は、2019年の参院選で「れいわ新撰組」の候補者の一人である東京大学教授の安富歩先生をメインに構成されており、「れいわ新撰組」からの候補者の方々がそれぞれを描いた作品であった。
放映時間が4時間を超える映画であり、その点が私を映画館へ向かわせることのハードルとなっていたのであるが、あっという間だったとは言わないまでも、退屈になる場面がまったくない映画であった。
映画の中で特に印象に残っていることの一つに、安富先生がおっしゃっていた話があります。
要約するとこんな感じの内容。
「社会にはセンサー機能がある。センサー機能とはその社会にいる弱者であり、社会が間違った方向に進んでいくとき、歪みの力のかかるところにいる弱者が苦しみ始まる。このことが社会に対する警告であり、ゆえに弱者は社会のセンサーなのである」
つまり、苦しんでいる弱者やマイノリティを切り捨てるということは、先の起こる大きな人災を未然に防ぐ機会を捨てているということに等しいのだ。
いま社会の中で起こっている問題は「わたしに関係ない」ことなんだろうか!?
候補者の中には、身体に障害を持つ人、非正規で働くシングルマザー、大企業で搾取された人などがいた。
いま私がその状態にないからといって、これかもそうであるという保証はないし、本当はこの社会ですでに息苦しさを感じながらも、自分の感性を殺し、社会のシステムに取り込まれていき、恐怖を抱えながら生活しているのではないか。と感じた。
そのような、いわゆる弱者といわれる人たちが、自分の抱える問題と正面から向き合い、自分の足で立ち上がり、声を上げているのが「れいわ新撰組」の候補者たちなのだ。
その候補者たちが大きな組織の後ろ盾もなく、選挙戦を戦う様子に私は強く胸を打たれ、とても勇気づけられた。
私は特に舩後靖彦さんと、木村英子さんの活動に惹きつけられる。
難病や障害を持っているお二人。
いままでの人生で人間の尊厳さえ捨て去ることを社会から何度も強要されてきて、言葉を超えるような辛い想いや経験があったであろうと思う。
そのお二人が同じような病気で苦しむ人のため、社会のために立ち上がろうとしている姿をみて、何度も涙がでてきました。
こんなに辛い想いをしてもなお、厳しい戦いに打ってでて、どんな人も幸せになる世の中を作りたいという心を持ち続けていらっしゃるお二人に、ただただ頭が下がる思いでした。
映画の最後には原監督のトークショウがあり、「れいわ一揆」の製作ノートが販売されていたので、さっそく購入した。
映画の中のシナリオが全部記載されている本である。
購入の際に原一男監督が本にサインをしてくださいました。
○○さま、あなたの「れいわ一揆」を!
というメッセージを添えて。
映画を観て、私は自分の「れいわ一揆」を立ち上げいく勇気をもらいました!